2025/05/21 16:39

はじめに:その「飽き」は展開不足かも?

「イントロは良いのに、途中でなんか飽きる」──そんな悩みを持つ作曲者やトラックメイカーは多いもの。リスナーの集中力が途切れてしまう理由のひとつは、曲の展開に変化や意外性が足りないことです。

この記事では、飽きさせない展開を生むために有効な音楽理論テクニックを3つ厳選してご紹介。どれも理論が苦手な人でも実践できる内容に絞っています。


1. モーダルインターチェンジ(平行調の借用)

● 解説

モーダルインターチェンジとは、同じ主音を持つ別モードのコードを借りてくるテクニック。たとえばCメジャーの曲にCマイナーのコード(例:Ab, Bb, Fm)を一時的に混ぜることで、一瞬の切なさや驚きを演出できます。

● 使いどころ

・サビの直前に変化を加えたいとき

Bメロや間奏に色味を加えたいとき

● 例:Cメジャーの曲に♭VI(Ab)を挿入

C – G – Am – F | Ab – Bb – G – C




2. セカンダリードミナント(V of V)

● 解説

セカンダリードミナントは、一時的に他のコードをトニックのように感じさせることで、

緊張感や推進力を加える手法です。例えば、Cメジャーで「D7 → G7 → C」とすれば、

D7が「G」のドミナントとして機能し、より強い解決感が得られます。

● 使いどころ

・サビの入り口で勢いをつける
・繰り返しフレーズを少し変化させたいとき

● 例:セカンダリードミナントを使った進行

C – D7 – G – C


3. サブドミナントマイナー(借用による色彩変化)

● 解説

サブドミナント(IV)のマイナー版(iv)を使うことで、メジャー曲でもメロウで感傷的な雰囲気が出せます。

これは平行短調からの借用と考えられますが、特にコード進行の「折り返し」や「ブリッジ」に効果的です。

● 使いどころ

・ブリッジや転調前の流れを作るとき ・エンディング直前に深みを出すとき

● 例:F(IV)→ Fm(iv)→ C(I)

C – F – Fm – C

展開づくりのヒント:理論×構成力

これらの理論は単なる“おしゃれコード”ではなく、曲の流れや感情の変化をサポートする構成要素です。

理論を知ったうえで、どのセクション(Aメロ、Bメロ、サビ、ブリッジ)にどんなコード変化を入れるかを意識すれば、

聴き手を飽きさせない曲作りができます。

まとめ:少しの変化が、大きな違いに

「途中で飽きる曲」と「最後まで聴ける曲」の違いは、ほんの少しの工夫やひねりかもしれません。

今回紹介した3つのテクニックを取り入れることで、展開に深みと彩りを加えられます

次の制作で、ぜひ使ってみてください!