2025/06/06 11:58

ミックスやサウンドデザインでよく登場する「空間系エフェクト」。
中でもリバーブとディレイは、定番中の定番です。どちらも“空間感”を与えるエフェクトですが、役割や使い方はまったく異なります。

今回はこの2つの違いと、具体的な使いどころをわかりやすく解説します。





リバーブとは?

リバーブは“残響”を再現するエフェクト。
部屋やホールなどで音を鳴らしたときの、壁や床に反射して返ってくる響きをシミュレートします。

簡単に言うと、音に“空間”や“奥行き”を与えるのがリバーブの役目です。

たとえば、ボーカルやピアノにリバーブを薄くかけると、録音された音が自然に空間に馴染みます。また、ドラムに短めのリバーブをかければ、まとまりのある印象に。
逆にアンビエントや映画音楽では、深く長いリバーブを使って、幻想的で広大な空間を演出することもできます。

ただし、かけすぎると音がぼやけてしまうので注意。音の輪郭を残しつつ、自然に響かせるバランスが大切です。





ディレイとは?

ディレイは“遅延”エフェクト。
元の音を一定の間隔で遅れて繰り返し再生し、いわば「エコー」のような効果を生み出します。

リズムに沿ってディレイを設定すれば、音にグルーヴ感や動きが加わります。
たとえば、ボーカルにさりげなくディレイを入れると、音に広がりと余韻が出て印象的になります。ギターソロにテンポに合わせたディレイを使うと、存在感が一気にアップします。

リバーブが“背景”を演出するのに対して、ディレイは“前面”で音を強調する用途にも使えるのが特徴です。





違いと使い分けのコツ

リバーブは「空間を感じさせる」ためのエフェクト。
ディレイは「音を繰り返して、厚みやリズムを加える」ためのものです。

空間の雰囲気を作りたいときにはリバーブを、音にアクセントや動きを与えたいときにはディレイを使うと、狙った効果が得られやすくなります。

両方を同時に使うときは、まずディレイをかけてから、全体にリバーブを薄くかけると、自然な仕上がりになります。





まとめ

リバーブは「空間を足す」もの、ディレイは「時間を足す」もの。
どちらも感覚で使い始めてOKですが、「どういう雰囲気を出したいのか」を意識すると、使い方がグッと明確になります。

まずは試してみて、耳でその違いを体感してみてください。きっと、あなたのトラックに新しい“奥行き”が生まれるはずです。


ZOOM ズーム MS-70CDR+ マルチストンプペダル ブルー 青 149種類の空間系エフェクト内蔵 コーラス、ディレイ、リバーブ中心