2025/06/09 15:33
音楽制作に関わると、「ミックス」と「マスタリング」という言葉をよく耳にします。どちらも楽曲の最終的な仕上がりに大きく影響する工程ですが、それぞれの役割や違いを正しく理解できているでしょうか?この記事では、初心者にもわかりやすく、マスタリングの意味と、ミックスとの違い、役割について解説します。
🎛 ミックスとは?
ミックス(Mixing)は、レコーディングされた複数の音(ボーカル、ギター、ドラム、シンセなど)をバランスよく調整し、1つの曲としてまとめる作業です。
例えば、ボーカルが埋もれていないか、ベースとキックがぶつかっていないか、各パートがそれぞれの役割を果たせるように音の「住み分け」を行います。
具体的には、音量やパン(左右の定位)、EQ(イコライザー)、コンプレッサー、リバーブなどを使って調整を重ね、すべての音が心地よく聞こえる状態を目指します。
🎚 マスタリングとは?
ミックスが終わった音源(通常はステレオの2チャンネルファイル)を、リリースにふさわしい音に仕上げる最終工程がマスタリングです。
マスタリングでは、曲全体の音量を整えたり、周波数バランスを最終確認したりします。また、配信サービスやCDで再生されたときに、音が小さすぎたり、大きすぎたり、聴きづらかったりしないように最適化を行います。
音圧(音の密度)を上げて、商業的な音に近づけるのもこの工程の重要な目的の一つです。
⚖️ ミックスとマスタリングの違い
簡単に言えば、ミックスは「曲を作り上げる作業」、マスタリングは「その曲をどこでも良い音で再生できるように調整する作業」です。
ミックスでは1つ1つのトラック(音)に対して細かく手を加えますが、マスタリングではすでに完成された1曲全体を扱います。
また、ミックスが終わっていない曲はマスタリングできません。つまり、ミックスがしっかりできていないと、どれだけマスタリングを頑張っても良い仕上がりにはなりません。
👂 なぜマスタリングが必要なのか?
マスタリングをしないまま楽曲をリリースすると、他の曲に比べて極端に音が小さく聞こえたり、スピーカーやイヤホンによってバランスが崩れてしまうことがあります。
一方で、マスタリングされた曲は、どんな環境でも安定した音で再生され、リスナーにとって「違和感のない音楽」として届きます。
また、アルバムやEPの場合、複数の曲を通して音のトーンや音圧を揃えることで、一貫性のある作品に仕上がります。
🎧 まとめ
ミックスとマスタリングは、それぞれ異なる工程でありながら、どちらも音楽制作に欠かせない重要なプロセスです。
ミックスは曲を「聴ける」状態にし、マスタリングはそれを「届けられる」音に仕上げます。
音楽を制作する上で、マスタリングの役割を理解することは、より良い作品作りへの第一歩。今後、あなたの楽曲が多くのリスナーの耳に心地よく届くように、ぜひ意識してみてください。
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