2025/06/11 17:15

DTMで音がゴチャっとして聴こえる原因は、多くの場合、各楽器の音が同じ周波数帯域でぶつかり合っていること(=マスキング)が原因です。

これを解決するのがEQ(イコライザー)を使った「帯域整理」。センスや"良い耳"がなくても、以下の3つのステップで誰でも実践できます。





【ステップ1】鉄則は「カット」から!まずは引き算しよう

音作りでは、つい音を足したくなりますが、基本は**「不要な音を削る(カットする)」**ことから始めます。その方が自然でクリアなサウンドになるからです。

▶ とにかくコレだけ!最強の「ローカット」 「ローカット(ハイパスフィルター)」は、指定した周波数より低い音域をバッサリ削る機能です。

  • **ボーカル、ギター、ピアノ、シンセなど、**キックやベース以外のほとんどの楽器には、実は不要な低音が含まれています。
  • 思い切って100Hzあたりまでをローカットしてみましょう。これだけで低音域のゴチャつきが消え、驚くほどミックス全体がスッキリします。

音がこもる場合は、中低域(200Hz〜500Hzあたり)を少しだけカットするのも効果的です。





【ステップ2】アナライザーで「目で見て」確認する

「どこをカットすればいいか分からない…」という時は、EQに付いている**「周波数アナライザー」**を使いましょう。これは音の周波数分布をグラフで表示してくれる機能です。

  • 音が集中している「山」を見つける。
  • 複数の楽器を鳴らし、音が「かぶっている」場所を探す。

アナライザーで音の渋滞が起きている場所を視覚的に探し、そこをカットすればOK。どこを操作すれば良いかの「当たり」を付けるのに非常に便利なツールです。





【ステップ3】「ブースト」は最後の仕上げに少しだけ

カットでしっかり整理しても、まだ「楽器の個性が足りない」と感じた時だけ、**ブースト(持ち上げる)**を検討します。

  • ボーカルの明瞭度(2-5kHz)
  • ギターのきらびやかさ(10kHz以上)
  • ベースの輪郭(800Hz-2kHz)

これらの「美味しいポイント」を、**Q(幅)を狭くして、少しだけ(+3dB以内)**持ち上げるのがコツです。やりすぎは禁物です。





まとめ

EQ操作は難しくありません。以下の順番を守るだけです。

  1. カット: まずは不要な低音域をローカット!
  2. 確認: アナライザーで音がぶつかる場所を目で探す。
  3. ブースト: 最後に物足りない部分を少しだけ足す。

耳の良さは、音を変化させる経験を積むことで自然と養われます。まずはこのロジカルな手順でEQを触って、クリアなサウンドを手に入れましょう!


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