2025/06/16 18:12
勉強や仕事中にBGMとして人気の「Lo-fi(ローファイ)」。心地よいけれど、どこか音がこもっていたり、「サー」というノイズが聞こえたり…。「これって音が悪いの?」と疑問に思ったことはありませんか?
結論から言うと、それは「わざと」です。ローファイは、クリアな高音質(Hi-fi)とは真逆の、あえて「原音に忠実でない(Low Fidelity)」サウンドを目指す音楽なのです。
ではなぜ、意図的に音を「悪く」しているのでしょうか。その魅力は3つのポイントに集約されます。
1.心が安らぐ「温かみ」と「懐かしさ」
ローファイ特有のレコードノイズやカセットテープのような音の揺らぎは、アナログ時代の「温かみ」を演出します。完璧すぎるデジタルサウンドにはない、人の気配や時間の流れを感じさせる質感が、私たちに心地よいノスタルジーと安心感を与えてくれるのです。
2.集中できる「空間」づくり
ローファイは、音楽が主張しすぎません。耳障りな高音域が抑えられているため、長時間聴いても疲れにくく、作業の邪魔になりません。むしろ、適度なノイズが周りの雑音をかき消してくれるため、集中したり、リラックスするための「自分だけの空間」を作り出すのに最適です。
3.完璧じゃないからこその「美しさ」
すべてがクリアであることが求められる現代で、ローファイは「不完全さの美学」を体現しています。少しずれたビートや、わざと加えられたノイズ。それらは欠陥ではなく、音楽に「味」と「個性」を与えるための重要な要素。完璧ではないからこそ生まれる、独特の魅力です。
結論として、ローファイは「音が悪い」のではなく、「味わい深い」音楽と言えます。そのノイズや音のこもりは、心を落ち着かせるために計算された芸術的な演出なのです。日々の喧騒に疲れたら、ローファイの「あえて」な世界に浸って、ゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。